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■表千家、裏千家の諸道具は色々ありますがこちらでは茶道で使用する代表的な道具の使い方、種類などを紹介いたします。


●表千家…茶道の流派は数多くありますが、その中でも千利休を祖とする千家の本家になります。門弟数は裏千家の半数ほどになります。京都市上京区に宗家があり、表千家の名前の由来は、表千家の象徴でもある茶室『不審庵』が通りの表にあることに由来しています。現在の家元は、千利休から数えて、15代目の猶有斎(ゆうゆうさい)千宗左(せんそうさ)家元です。代々の家元は紀州藩主である紀州徳川家(御三家)の茶頭として格式を誇り、紀州徳川家と強いつながりがあった三井家とも縁がありました。

●裏千家…裏千家とは、表千家と同じく茶道流派の一つのことです。
千利休の孫である宗旦が「不審菴」を江岑宗左に譲り、隠居生活を送るために建てたのが「今日庵(こんにちあん)」と呼ばれる有名な茶室です。宗旦の死後にこの「今日庵」を継いだのが、宗旦の四男である「仙叟宗室(せんそうそうしつ)」です。
今日庵は「本家の象徴」である不審庵の裏手にあったため、”裏千家”と呼ばれています。そんな裏千家に対し、表側にある本家は”表千家”と呼ばれるになりました。

■道具…茶の湯の道具

茶の湯を成り立たせているものには、茶室や露地、亭主が客をもてなすためのさまざまな茶道具類があります。
掛物には「絵画や書」、あるいは「紙や裂(きれ)」を使用する文化があります。同様に、茶碗や花入・水指・茶入などには「土」、釜や風炉や建水などには「金属」、棗や茶杓や菓子器などには「漆塗り」、木や竹などの「木工」の文化があります。
抹茶の風習は中国から伝来したものですから、当然その道具も、当初は、中国伝来の輸入品が用いられましたが、それらの輸入品を「唐物」と呼びます。しかし、茶の湯が日本文化にとけ込んで、階層を超えた人々の生活文化に発展しますと、当然国産の道具類が生産され用いられるようになりました。これを「和物」と呼びます。

■それではどんな茶道具があるのでしょうか?

①軸、掛軸


 床の間に掛(か)けて鑑賞(かんしょう)します。亭主の姿勢、茶会のテーマなどをあらわす もので、もっとも重要な役割を果たしています。文字を書いたもの、絵画を描いたもの、文字と絵画の 両方が書かれたものがあります。
 文字を書いたものには禅語を書いた「一行物(いちぎょうもの)」「横物(よこもの)」等、和歌や 発句(ほっく)を書いた「懐紙(かいし)」「短冊(たんざく)」等、むかしの茶人などが書いた手紙等があります。
 絵画には唐絵(からえ)、大和絵(やまとえ)等があります。ただし、額に入った絵が飾られることはめったにありません。
 文字と絵画の両方が書かれたものは「画賛(がさん)」といい、茶人が書いたものがよろこばれます。

②香合(こうごう)

 香合は香をいれるための小さな器です。香は風炉や炉の中で焚(た)いて、香りを楽しむとともに、 部屋に清浄感(せいじょうかん)を与えます。炭手前(すみでまえ)のときに、 炭斗(すみとり)に入れて席中に持ち出しますが、炭手前がない場合は床の間に花入(はないれ)とともに 飾ります。
 風炉の季節には木地(きじ)、塗物(ぬりもの)等の香合を使い、白檀(びゃくだん)などの 木製の香を入れ、炉の季節には陶磁器のものを使い、練った香を入れます

③花入れ


 花ほど季節感のあらわれるものはなく、またほんのひとときのものですから、人を招くときに もっとも気を使うものです。その花を入れる花入にもやはり気を使います。唐銅(からかね)・焼物・竹など 色々と種類があります。もっとも位の高いのが金属製のものと、中国製の陶磁器です。 次は日本製の釉薬(ゆうやく)の掛かった陶磁器で、その次が釉薬の掛かっていない陶磁器や竹製のものです。
 風炉と炉の厳格な区別はありませんが、暑い季節には籠(かご)の花入がにあいます。

④釜(かま)

 お湯を沸かす道具で、「釜ひとつあれば茶の湯はなるものをよろづの道具をもつは愚かな」と いわれるように、特別な道具です。現在でも茶会をすることを「釜を掛ける」という言い方があります。
 鉄でできていて、形や大きさなどさまざまです。すべて日本製で、福岡県の芦屋(あしや)、栃木県の佐野(天命・天明(てんみょう) といわれます)、京都などが代表的な産地です。風炉用はちいさめの釜や口の狭いものを、炉用にはどっしりとした大きめの釜を用います。 蓋は一般には唐銅蓋が多く、鉄製もあります。

⑤茶器


 抹茶を入れて茶席に持ち出すための器です。濃茶用には茶入を、薄茶用には主に塗り物の薄茶器 (うすちゃき)が使われます。とくに茶入は昔から茶人が大切にしてきた道具のひとつで、名物(めいぶつ) といわれるものがたくさんあります。
茶入は焼物が主体で産地により唐物(からもの:中国製)と和物(わもの:日本製)に大別されます。 仕覆(しふく)と呼ばれる金襴(きんらん)や緞子(どんす)、間道(かんとう)などの裂(きれ)で 作られた袋が着せられており、茶入とともに鑑賞されます。
 薄茶器は代表的な棗(なつめ・形が棗の実ににている)をはじめとして、金輪寺(きんりんじ)、 中次(なかつぎ)、雪吹(ふぶき)など種類は豊富です。蒔絵(まきえ)などで装飾されたものもあります。

⑥茶杓(ちゃしゃく)

 抹茶を茶入や棗から茶碗にすくいだすものです。主に竹で作られ、象牙(ぞうげ)や梅・松・桜 などの木も使われています。竹の筒に納められて銘(めい)が付けられていることが多く、 茶人が自身で削るため好みや人柄までうかがえ、茶道具のなかでも重んじられている道具のひとつです。

⑦茶碗(ちゃわん)

 産地により、唐物(からもの)茶碗<中国>、高麗(こうらい)茶碗<朝鮮半島>、和物(わもの) 茶碗<日本>に大別され、その中でも細かく分類されています。濃茶用には文様のない茶碗を用います。 文様などがある茶碗は薄茶用に用いられます。姿、色合い等みどころも多く、必ず客も手にする道具なので、 もっとも親しまれている道具のひとつです。

⑧水指(みずさし)

 釜のそばに置き、茶席で必要な水を入れておく器で、金属、陶磁器、木、漆器(しっき)、 ガラスなど素材も、形も豊富です。また産地も中国、朝鮮半島、日本のほかに東南アジアの国々や ヨーロッパで作られたものもあります。

⑨蓋置(ふたおき)

 釜の蓋を置く台にしたり、柄杓(ひしゃく)をひくときに使います。唐銅(からかね)、陶磁器、 竹等があります。竹製のものは炉用と風炉用では区別があります。

⑩建水(けんすい)

 茶碗を清めた湯や水を入れるもので「こぼし」ともいいます。唐銅、砂張(さはり)、 陶磁器、木地物などがあります。

⑪柄杓(ひしゃく)

 釜や水指から湯水をくむために使います。竹製です。風炉用は合(ごう・水の入る部分)が小型で、 切止(きりどめ・柄の端の部分)は身を斜めに切ります。炉用は合が大きく、切止は皮目を斜めに切ります。 この他特別な柄杓として「差し通し」というものがあります。

⑫茶筅(ちゃせん)

 抹茶を点てるための竹製の道具です。裏千家では白竹を用いますが、使用する会や流派によっても 使う竹の種類や形状が違います。

⑬帛紗(ふくさ)

 お点前をするときに使い、茶杓や茶器を清めます。塩瀬(しおぜ)という布地で作り、 男子が紫、女子は赤が基本です。客も持参しますが、帛紗をつけている人が、 亭主側だという目印にもなります。about:blank画像画像ファイルをアップロードするか、メディアライブラリから選択、または URL を追加してください。アップロードメディアライブラリURL から挿入

⑭古帛紗(こぶくさ)

お茶を出すときや、拝見する道具をのせるのに使います。 金襴・緞子・間道など主に模様のあるものをつかいます。

⑮炭斗(すみとり)

 炭を入れ席中に持ち出す入れ物です。風炉用は小さめで深いものを、炉用は大きめで浅いものを使います。
 炭のほか、香合(こうごう)、羽箒(はぼうき)、鐶(かん)、火箸(ひばし)もいっしょに入れて使います。

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