唐三彩香炉

茶道具でもおなじみの的に三色の組み合わせが多いことから、三彩と呼ばれています。多くの唐三彩は、鉛や銅、鉄の釉薬を使い、色を表現しています。緑・黄色(茶色)の二色が美しく発色し、土の色の白が合わさった三色、またはクリーム色、藍色、紫などを使った色合いが魅力の骨董品や芸術品です。
そして唐三彩の形状は、人物、動物、器と大きく3つに分かれ、武将や貴婦人、馬やラクダ、壺やお皿などをかたどったものが多く発掘されています。主に王侯貴族の墓へ、埋葬するために作られました。作られたのは唐の時代ですが、発見されたのは1900年代。鉄道の工事をしている最中に見つかったと言われています。それから中国全土で発掘調査が行われ、当時都だった長安、洛陽を中心に広い地域で出土しています。最も古いとされているのが、674年唐の初代皇帝の墓から発掘された器です。唐三彩はシルクロードを通り、1200年~1450年ごろにかけて、シリアやキプロス、イタリアに伝来しました。東アジアにも広がり、日本では奈良時代に遣唐使らが唐三彩の知識を持ち帰り、奈良三彩が作られたとされています。その後、日本でも復刻ですが茶道具の香炉や茶器でも使用されました